あの日、見覚えのある車がバックミラーに映った。
胸が痛んだ、
この痛みは何だ?
もう僕のことは忘れてくれと言い、
君にも二度と会わないつもりでいたのに。
思わずスピードをゆるめた僕の車を
スピードを上げて君が追い抜いていく。
みるみる小さくなる君の車を見ているうちに
知らず知らずにアクセルを踏み込んでいた。
追い抜くときに泣き顔の君と目があった
頭が真っ白になって、何も考えずに君の車を追いかけて
スピードメーターはレッドゾーンだ。
追いついた僕を振り切るように君の車は高速をおりる、
そして、右と左に僕らの車は離れた。
ハンドルをきったのは僕のほうだ
でも君を嫌いになったわけじゃない、
重たい荷物を背負って、
今にも沈みそうな僕の道ずれにしたくなかっただけなんだ。
最愛の君を、不幸にしたくなかった
そのことだけは、わかってほしい。
泣いてる君の車を止めて、この胸に抱き寄せたかった。
いつまでも一緒にいたかった。
愛している・・